【風都】



ウザいから相手にするのをやめた。



思えば一途なんだと、初めて実感してる。



「エッチしよ~」

「他当たれ」

「風都がいいの!!風都じゃなきゃイけない…」

「うるせぇよ。ちょっと遊んだだけでセフレ面してんじゃねぇ」



それに、ちーに泣かれたくない。



俺を不純だと言うちーには勘違いされるのがいちばん困る。



「クロ、相手してやって」

「ごめん、顔がタイプじゃない」

「だってさ~。出直して来いボケ」



半泣きで出てった女。



名前、なんだったか忘れた。



「ランさん、やっと消えたみてぇじゃん」

「まさか気づいてた?」

「何年一緒にいると思ってんの?お前が女をモノみたいに扱うようになったのはあの失恋のせい」

「その前からだと思う」

「いや、ランさんと別れる前はまだ『おいた』程度だった」



やっぱり俺を変えたのはあの人だったか…。



吹っ切れたのかどうかはわからない。