初めて聞いた風都の甘い声が頭から離れない。



『おやすみ、ちー』



心臓が壊れるんじゃないかと思うほどドキドキしてて、絶対眠れる気がしない…。



ベッドに入っても全く眠れずに、起きあがってリビングに出た。



悠都君が勉強してる…。



「眠れない?」

「うん」

「俺も休憩~。コーヒー飲むけど…ココアにしとこうか」



悠都君がいれてくれたココアを飲むと、ここに来た日を思い出した。



風都があたしを助けたから…あたしはここにいる…。



「千衣ちゃん、辛くない?」

「えっ?辛く…ない…よ?」

「ならいいや。いっぱい笑うようになったから俺も安心。マジ、妹みたい」

「なんか照れる…」

「風都になんかされたら言えよ?兄ちゃんがガツンと…言えっかな…」

「あははっ!!悠都君って根っから優しいね」

「風都のせいでこんな性格になったのかも…。ユナのことイジメてたから…」



風都はやっぱり昔から風都なんだね。



だけどあたし、優しくなくてもやっぱり風都が好き…。