風都は甘くない。



仲良くなれたと思っても壁を作られる。



風都の過去になにがあったのかはわからない…。



でもね、風都。



風都はあたしを信じなくても、あたしは風都にウソはつかないよ。



勝手に思ってるだけなら…いいでしょ?



気分が乗らなくて、もらったカギを使って屋上にやってきた。



フェンスから覗いた校庭は体育の授業中。



寄りかかって自然に出たため息…。



前と違ってクリアな視界は青空と雲がハッキリ見える。



この空みたいに、あたしの心が晴れる日は来るんだろうか…。



ボーッと空を眺めていた時だった。



キーッとドアの開く音が聞こえ、目を向けるとそこにいたのは知らない女の人。



背が高くてすごいギャル…。



あたしには気づかないようで、反対側のフェンスに向かって歩いて行った。



そしたらその人…。



「死ね~!!」



って、思い切り大きい声で叫んだ。



ごめんなさい、あたし、ここにいます…。