傷×恋=幸

今までの自分を振り返っても、絶対いい彼氏なんかじゃなかった。



冷たいって言われてケンカになったことも山のようにある。



束縛が激しすぎて理解されずに泣かれたり。



それでもちーは俺に着いてきた。



「物好きなヤツ…」

「なにが?」

「お前、俺のなにがよくて一緒にいんのかなって」



今だって腕枕で甘い言葉をささやいたりしない。



タバコに火を着けてひとりでソファーに移動した。



ベッドの上でシーツにくるまるちーが不思議そうに俺を見てる。



「いまさら…?」

「いまさら…だな」

「風都のなにがいいのかなんてわかんないよ。でもよくわかんないけど好きなんだよね」

「意味わかんねぇよ」

「風都がいなきゃあたしは生きてない。風都があたしを生かしてるんだし」

「そんな大それた存在か?」

「命の恩人だよ、風都は」



あの日、ちーを助けなかったら…屋上に行かなかったら。



俺も今の俺は存在してねぇな…。