傷×恋=幸

俺はそんなに女に入れ込まない。



失恋は絶対いやで。



痛い恋なんか絶対しない。



「ご飯できたから千衣ちゃん呼んできて」

「俺が?」

「他に誰がいんの」



自分の部屋に入るのに遠慮しなきゃいけないのなんて初めてだ…。



静かにドアを開けるとまだ聞こえた寝息。



「ちー、メシだから起きろって」

「…………」

「ちー…?」



マツゲ長っ…。



ホント、美人だな…。



キスしたら気持ちよさそう…。



寝返りを打ったちーを見て我に返り、カラダを揺すった。



「ちー!!メシだ!!」

「んっ…?」

「メシだから起きて食え」

「食べて…いいの?」



ダメなの?



意味わかんねぇこと言ってんなよ…。



「早くしろよ」

「ふ、風都っ!!」

「ぁん?」

「ありがとう…」



うわっ、ガラにもなく照れる…。



ちーって素直なヤツだな…。



部屋から出てきたちーを見て、悠都はビビってた。