身につけてるものは派手かもしれない。



親父のお下がりのウォレットチェーンとか、指輪とかネックレスとか。



髪は伸びたから黒くしたけど。



「良平さんって俺のこと嫌いだよな」

「そんなことないよ…」

「娘と彼氏が旅行に行くなんて、親としておもしろくねぇはずだし」

「それはそうだけど…」

「言いたいことあんなら言えば?」



無言になった良平さん。



一瞬躊躇してからメガネをクイッと持ち上げた。



「風都君のなにがいいのかわからないんだがね」

「やっぱり」

「君と千衣の交際には大反対だよ」

「ははっ!!」

「はっきり言って、僕は君が大嫌いだからね」



やっと本音が聞けた。



俺もあんたが嫌いだよ。



だけど…。



「ちー、奪われたから…奪い返すよ、俺は」

「望むところだね」

「じゃ、期待ながら指くわえて見ててね、パピー」

「そういう大人をバカにしたような態度が好きになれない原因だ!!」



超気が合うじゃねぇか、俺と良平さん。