傷×恋=幸

ちーの母親から感じた『女』の雰囲気じゃなく、家には『家族』の温もりがあるんだと初めて実感した。



「千衣ちゃんは?」

「寝た。ってかマジで俺、悠都と寝んの?」

「他に部屋ないじゃん」

「ソファーの方がマシ」

「ダメ。あんたリビング散らかすから」



母ちゃんが布団を出して、まだ帰ってきてない悠都の部屋に敷いた。



ちーのせいで俺のプライベート空間がなくなっちまった…。



「ただいま。誰の靴?」

「今日からしばらく預かる子。風都の友達」

「預かる?なんかあった?」



帰ってきた悠都に事情を話してる母ちゃん。



俺は聞かずにゲームに没頭。



ちーの事情なんかどうだっていい。



「俺、風都と寝んの!?電話とか聞かれんじゃん…」

「近いんだから会って喋れ」

「お前わかってねぇのな。寝る直前まで声聞いてたいっつーラブな感じ」



わかりたくもねぇよ…。



悠都は2軒隣の幼なじみと付き合ってる。



毎日会ってて、毎日一緒に学校に行ってて。



そんなに話すことなくね?