傷×恋=幸

きっと風都も弱いから…。



一緒に落ち込むのがイヤなのかもしれない…。



「会いたい、風都…」

「さっきまで一緒にいただろ」

「でも…会いたいんだもん…」

「風呂は入ったし。会いに行けねぇよ」



なんでこんなに寂しいの?



風都がいないのが寂しい。



自分で選んだ道なのに…辛いよ…。



「ワガママ言ってんなよ…」

「でも寂しいんだもんっ…」

「自分でそうしたんだろ。俺だって好きで離れてるわけじゃねぇよ」

「どう…すればいいのっ!!」

「テメーだけが辛いとか、マジふざけんな」



『俺だって一緒にいてぇのに』



キュンとした。



そうか、共感して欲しかっただけか…。



滅多に愛を囁かない風都だからやっぱり不安になるのかも。



今の言葉が聞けてちょっと満足したあたしがいる。



「明日風都バイトだね」

「だな」

「あたしもだよ」

「だから?」

「会えるね…」

「マジうっせぇ。意味わかんねぇから」



なんだか風都の一言で寂しい気持ちがなくなった。