傷×恋=幸

大晦日は普通に年を越し、特になにもないまま明け方に初詣。



ちーんちの近くの神社は人、人、人。



うんざりするほど人だらけ。



はぐれないように手を繋いで。



「あれ!?千衣ちゃん!?」

「ミサちゃん!!」

「もしかして彼氏?」



ちーの学校の友達に出会った。



あっちは集団、俺達はふたり。



男もいんじゃん…。



「笠原の彼氏かっけー」



『笠原』と聞いても、聞き慣れないちーの名字。



ってか、なんかムカつく。



俺の知らないとこで俺の知らない男と知り合い。



マジで久しぶりに…どうしようもなくムカつく。



「風都…」

「大丈夫。別に…」

「えっと…こちらがミサちゃんで、こっちが谷君。こっちがリコちゃん、そして水野君です…」

「ちーが世話になってます。夏川です」



大人になれ、俺…。



ちーのこと、信じてやんなきゃダメなんだ…。



「今から水野んちに集まるんだけど一緒にどう?」



そんな誘いは望んでねぇ…。