そう信じなきゃ、ただ怖くなって別れを待つだけの気がするから。



あたしは風都を信じるんだ。



いつか毎日風都のそばにいれる日を信じて。



「おはようございま~す」

「おはよ~、千衣ちゃん。今日もカワイイね」

「サキさんもこのシャツカッコイイ~!!」

「はい、早めのクリスマスプレゼント」

「えっ…?」



新幹線のチケット。



それは指定席が2枚。



「旅行、結局行けなかったから風都と行っといで」

「ホテルまで予約して…?」

「出来ちゃった結婚は…やめてね?」

「あははっ!!まだそれ言ってる!!わかってますよ~」

「じゃ、ふたりで楽しんで」



なんてステキな親だろう…。



きっとあたしと風都が離れたことを気にかけてくれてたんだ。



「サキさんもユズさんも大好き…」

「誰が好きだって?」

「風っ…」

「へぇ~。俺以外に好きとか言っていいんだ~。ちーってそんなにイジメられてぇのか」

「そ、それは…」



あたしと風都が身につけたもの。



それは離れても頑張る力。