傷×恋=幸

ゴミを出し、家に戻ると焦げ臭くて。



また目玉焼きを焦がしたんだとため息が出た。



「良平さん、あたしが作るから座ってて」

「えっ…」

「料理なんてしたことないくせに無理しないで」

「怒った…かい?」

「毎日まずいご飯食べさせられるあたしの身になったことあります?だからあたしがやります」



家事は分担しよう。



洗濯とご飯はあたしがするから、良平さんはゴミ出しと掃除。



食はやっぱり重要だからね。



「お弁当…?」

「毎日外食じゃ飽きちゃうかなって思って。迷惑でしたか?」

「嬉しいよ、お昼が楽しみだ」



少しずつ、ふたりの関係を親子にしていこうと思う。



新しい学校は普通に楽しい。



悩みやグチをこぼせるのは麻衣子だけどね。



前の学校はちょっと距離がありすぎて通えなかったから…。



バイトは続けてるし、サキさんにもユズさんにも会えるからそれはいいんだ。



今日もバイトへ向かうあたし。