傷×恋=幸

墨を入れたからじゃない。



ちーが俺をどれほど必要としてるかがわかってしまった…。



「一生…離れられない…よね?」



ここまでちーを追いつめたのは俺。



一生消えない名前を彫らせたのはちーを不安にした俺だ…。



「俺って…」

「うん?」

「ちーがいなきゃ…生きて行ける気がしねぇ…」

「あたしも…」

「こんなことさせたかったわけじゃねぇのに…。バカだな、お前…」

「前に言ったかな?風都は…あたしの生きる意味だから…」



『これくらいなんてことないよ』



俺が死ねと言えば、ちーは死ぬだろう。



そんな気がした…。



俺が付けさせた足首の傷は一生かかっても償えるのかわからねぇ…。



でも…。



「どこに行こうが…俺はお前を縛って離さねぇから…」

「風都…」

「すげー好き…、ちー…」



歪んだ形なのかもしれない。



だけど俺は、ちーを離さない。



どこにいても、たとえ離れていても…。