傷×恋=幸

手を繋ぐというより、引っ張るような感じでちーとラブホに入った。



部屋なんか適当でいい。



今すぐふたりになりたいから…。



入った部屋でなにもせずにちーと座る。



ちーの顔は泣きやんだのに、今にも泣きそう。



上着を脱いでまた座る。



なにから話したらいいのかわからない…。



2週間って、なげぇんだな…。



「風都に会いたかった…」

「ん…」

「声…聞きたかったし…顔見て抱きつきたかった…」

「じゃあなんで離れたんだよ…」

「いつまでもサキさん達に甘えてちゃダメなのかなって…」



家のことを考えてちーは出てったのか…。



確かに家は裕福じゃねぇ。



でもちーが欲しいモノくらい与えてやれる。



なのに…出てったのはちーじゃん…。



「良平さんの…姓を名乗ることにしたよ…」

「名字が変わってもちーの中身まで変わる訳じゃねぇ…」

「よくしてもらってる…から…大丈夫だよ…?」



そう…なんだ…。