だから信じたくなかったんだ。



俺ばっかり…。



なんでこんなに辛い思いしなきゃなんねぇの。



「風都、ご飯だよ」

「ん~」

「目に見えて落ち込んでるね」

「別に」

「千衣ちゃんだって自分なりに考えた結果なんだから。また辛いときに助けてあげたらいいんじゃないの?」



俺の言いなりになんてなってねぇじゃん。



ここにちーがいることが安心をくれたのに。



俺はどうしたらいい?



なんかもう、抜け殻。



メシを食ってもうまさを感じない。



編みかけのニットキャップも進まない。



なにもしたくない、なにも手につかない。



ランさんと別れた時の方がマシだった。



あの頃は荒れてりゃ忘れられたから。



「ごちそうさま」

「千衣ちゃんから伝言、電話出ろってさ」

「親父に関係ねぇよ」



学校も急に変わって、ちーに会う手段がなくなって。



この現実の意味がわかんねぇ。



嫌いになれたら…楽なのに…。