なにがあったかなんて気にならない。



他人に変に入れ込むのはよくない。



女はすぐにウソをつく生き物だから。



「お母さん…美人だね…」

「キモい」

「お父さんも若くてカッコイイ…」

「ジジィだし」

「ココア、甘い…」



小さく笑ったちーを見て、少しホッとした俺がいる。



笑えるならまだ大丈夫だ。



「目、腫れそうだな」

「泣きすぎて頭痛くなって来ちゃった」

「薬飲むか?」

「大丈夫」



しばらくして寝室から出てきた両親は意外なことにちーをここに置くという決断を下した。



また泣いたちーは震える手を母ちゃんに握られていて。



何度もお礼を言っていた。



「風都のベッド、千衣ちゃんに貸しなさいね」

「はぁ!?俺はどこで寝るわけ!?」

「悠都の部屋に布団敷いてあげるから」



最悪…。



連れ帰った俺のミスだ。



早く追い出したい…。



「一緒に家に帰って荷物取ってきてあげなさいよ」

「なんで俺が!?」

「風都、行ってあげて」



マジで最悪…。