誰でもいい、あたしを置いてくれるなら。



死ねないなら生きるしかない。



もがいて苦しんだって。



「うちはムリだ。母ちゃんが許さねぇ」

「そうだよね…」

「行くとこマジでねぇの?」

「うん…」

「もしかして俺が泊めなきゃ死ぬ?」

「わからない…」



頭を抱えた風都。



その仕草がなんだかカワイく見えて、自然と顔が緩んだ。



「聞いてみる。まず放課後、うち来い」

「ありが…とう…」

「でもタダじゃ泊めねぇよ?カラダはもらう」

「いいよ、なんだって」



風都との出会いがあたしの運命を左右するなんて、この時は全然気づいていなかった。



ただ目の前のモノにしがみつき、必死に生きようとしていただけ。



幸せなんて望んでない。



ただ、安心して眠れる場所と普通の生活が欲しかった。



それ以上なんて望まないから…。



その日その日を生きることができたら、それであたしは満足だろう…。