傷×恋=幸

居場所がなくなった…。



学校が終わったら荷物をまとめて出て行けと言われて。



渡されたのはキャッシュで30万…。



そんなにあたしが嫌いなら産まなきゃよかったのに。



大嫌い。



母親も、学校も、この世界も。



行くところもなく、無意識に歩いてたどり着いたのは学校だった。



あたしなんかいない方がいい。



あたしなんか…生まれて来なければよかったんだ。



靴を履き替えて向かった屋上。



鍵が開いてないと思っていたら、見事に開いていてちょっとびっくりした。



飛び降りたらいい。



辛いことも全部終わる。



フェンスから下を見ても恐怖は感じなかった。



やっと終わる、やっと解放される…。



カシャッとフェンスを握り、上に上ろうとした時だった。



「気分わりぃからやめろよ」



力強く握られた腕。



犯人は黒髪で眉間にシワを寄せた美形の男。



誰だろう…この人…。



「死ぬなら俺がいないとこで死ね」



甘くない人だな、なんてちょっと客観的に見ていた。