傷×恋=幸

その日の夜、爆弾を投下したのはいい感じに酔ったサキさんだった。



「千衣ちゃんモテんね~」

「は…?」

「俺的には娘にしたいからマジで風都君には頑張ってもらいたいんだよ」

「モテるって…なに?」

「三沢ってチャラ男に口説かれたし、悠都の友達のチャラ太郎もカワイイって絶賛してたし~、他にも数人千衣ちゃんファンのお客さんがいる~」

「へぇ~」

「鼻高いって、俺!!」



サキさんがそう思ってくれてるのは嬉しいんですが…。



風都の纏うオーラが一瞬にして変わった気がする…。



絶対タダでは済まない。



案の定、寝る前に部屋にやってきた風都の目は笑ってない。



逃げたいくらい怖い…。



「三沢って誰?」

「バイトの先輩…」

「口説かれたんだ」

「うん…」

「ボッコボコにしてぇ」

「なにかされたわけじゃないよ!?」

「だから?」

「だから…そういうのよくない…」

「イラつく」



どうやって鎮めたらいいんだろう…。