他の女みたいに、ちーとは人前じゃ絶対シない。



本命ってのはそういうもんだ。



ちーがヤダって言ったらやめてやってるし。



でもマジ、もう限界。



いつまでもちーの言うことばっかり聞いてやれねぇから。



「クロ~、単発のバイトねぇ?」

「単発?ん~、なくもない」

「なんの?」

「うちの会社の掃除」

「やる」



休みの日、1日だけクロんちの親の会社で清掃のバイトをした。



主に窓掃除で、高いし怖いし最悪…。



だけどバイト代を手に入れた俺は最強だ。



「ちー、明日バイト休みだよな?」

「うん、お散歩行く?」

「行かねぇ。お前食うことにした」

「へっ…?」

「心の準備が~、とか言われんのめんどくせぇから先に言っとく。明日は絶対逃がさねぇ」

「えっ、ちょっと風都…」

「限界」



マジで。



今すぐにでも遅いてぇのに。



今まで我慢してやった俺を褒めろボケ。



泣いたって知らねぇから。