帰りは珍しく手を繋いだ。



風都がこうしてカップルらしいことをするのは珍しい…。



「楽しかった、カラオケ」

「まだまだ楽しいこと、いっぱいあんだけど」

「たとえば?」

「冬に花火したり。季節に逆らうようなこととか」

「やりたい!!」

「冬になったらな」



風都といるとそれだけで楽しい。



あたし、風都が大好きだよ。



「ねぇ…」

「あ?」

「好き?」

「…………」

「ごめん、なんでもない」

「腹減ったな~。夜メシ奇跡的にたこ焼きがいい」

「たぶんたこ焼きじゃないよ」



いつか風都の口からも『好き』を聞きたい。



いつになるかわからないけど、あたしはそれまで風都を大事にしようと思う。



「ちー、こんなとこにラブホが!!」

「行かないってば」

「家でふたりになれねぇじゃん!!」

「仕方ないでしょ?」

「ちーがその気なら俺にだって考えがある。今ラブホ行かなかったこと、せいぜい後悔しろよ」



どんな…意味!?