傷×恋=幸

動きたいのに体がこわばってる。



ユズさんの言葉は嬉しくて仕方ない。



だけどやっぱりあたし、ユズさんとサキさんを裏切った気分…。



「母ちゃん、黙ってて悪かった…。ちーに口止めしたのも俺。だからちーは…悪くねぇ…」

「珍しく素直に庇うのね」

「俺のせいでちーが傷つくのはっ!!絶対ヤダから…。誰にも傷つけさせねぇ…よ…?」

「どうやって?」

「謝る…。母ちゃんと親父に…」



風都…。



そんな風都らしくないこと言わないでよ…。



あたし…また泣いちゃうから…。



「な~んか少しだけ大人になったんじゃない?」

「うっせぇクソババァ…」

「今のもう1回言える?言ったらその口縫ってやるけど」

「ご、ごめんなさいでした…」

「後はサキに謝りなさい。あたしは別に反対したりしない」



ユズさん…。



嬉しくて涙止まらないっ…。



あたしはどこまで救われればいいの?



この恩、いつか返せるかな…。