傷×恋=幸

カチャッと部屋のドアが開く音が夢の中で聞こえた気がして…。



「どういう…こと…?」



ユズさんの声が聞こえる…。



慣れないバイトの疲れからなのか、目が開かない…。



「やべっ…」

「風都、説明して」

「リビングでな…」



起きなきゃいけないのに瞼が重い…。



なんかヤバいような気が…する~…。



それでも夢なのか現実なのかわからず、意識がさまよった末、プツリ…。



目が覚めた時には風都が隣にいなかった。



あれは…夢じゃなかったのかな…?



ゆっくり歩いてリビングのドアまで行くと、聞こえてきたのはユズさんと風都の声。



「千衣ちゃんのこと傷つけたら許さないから」

「わかってるって…」

「付き合ってるならなんで言わなかったの?」

「ちーが…ここにいれなくなるかもって…思ったら言えなかった…」

「追い出すとでも思ったの!?あたしにとっても千衣ちゃんはカワイイ娘みたいなもんなのに!!」



あたしのせいで…揉めてる…。