傷×恋=幸

あたしはやっぱりいらない子なんだって…。



いなくなったっていい…。



またひとりはイヤだよ…。



助けて、風都…。



「ちー…?」

「ふ…とっ…」

「ちー…」



何で風都も泣きそうなの?



隣に座って風都らしくない弱い力で抱きしめられて。



肩に顔を埋めると背中をさすってくれた。



「ごめん…」

「ひとりに…しないでっ…」

「うん、ごめん…」



風都が謝るなんてあり得ないようなことなのに。



抱きしめてくれてる風都まで泣きそうなのはどうして?



「ちー、部屋行くぞ」

「ん…」



風都の部屋に入ってベッドに座った。



手を握ってくれて、ティッシュボックスを膝に置いてくれて。



「ちーは…俺を裏切るのか?」

「えっ…?」

「目移りしたり、俺なんかいらなくなったり…。他の男と話したって言われただけで、スゲー焦っちまう…」



バイトの話…。



それで風都は機嫌が悪くなった…。



もしかして…トラウマ…?