傷×恋=幸

まだ出たばかりなのにまた家に帰ろうとする俺の腕を、ちーが必死に掴んだ。



「言ってくれなきゃわかんない…」

「…………」

「あたしが何かしたの?」

「今は構うな…。ケンカしたくねぇ…」



イライラが治まらない…。



俺の後ろを歩き、泣きそうな顔のちー。



振り返って手を差し伸べて『ごめん』って言ったらいい。



なのに、それが怖い。



ちーが心変わりしたらどうする?



ランさんみてぇに…俺を捨てたら?



傷つくのはゴメンだ。



無言のまま家に戻り、悠都の部屋に入った。



頭を冷やさなきゃ。



だけど…スゲー些細なことでこんなに動揺する自分がわからない…。



ちーを傷つけたかもしれない…。



何がしてぇの、俺。



ベッドに座ってしばらく、ポケットの中でケータイが鳴った。



『よくわからないけど、なにかしたならごめんなさい』



ちーからの謝罪文…。



悪いのは俺なのに…。



俺が悪いのに…。