俺は家に少女を連れ帰る

少しばかりだが周囲の視線が痛かった



その小さな女の子は靴を履いていなかった

仕方無く俺は相手を背負って帰った

少女の体は冷えきっていて氷の様に冷たかったんだ



「おにいさんの家…」


少女は小さい声で呟く


「嗚呼、そうだよ…寒かっただろ?」

俺は少女の冷えきった体を布で包み込んだ

「…わ…温かいや」

少女はあどけない笑顔を見せ

柔軟剤の香りが仄かに香るタオルに頬を摺り寄せた

「……っ」

その表情は凄く愛らしく

胸がきゅうっと締め付けられる


「おにいさん、風邪なの…?暖めてあげるっ」

「……は、え?」

少女はタオルに包まれたまま俺に抱きついてきた


「…おにいさん?暖かい?」

俺の顔をうるうるとした瞳で覗いてくる

「えっと……っ」

不覚にも目が離せなくなる

「…あれ、赤いよ?」

自然と頬は赤く染まった

「…大丈夫、だから、離れて」

そう言えばすっと俺から離れて

「おにいさん、ありがとう」

そう微笑む少女





嗚呼…もう駄目だろ…?



俺はこの小さい子猫に恋をしてしまった