猫。.:*:・゜.:*:・゜



低く甘い声で囁かれた

溶けてしまいそうなほどの甘い甘い声

さっきまで見ていた悪い夢

不安に包まれた

『椿にもいつか捨てられる』

なんて馬鹿な事考えて


でも

椿の言葉は私のそんな思いを全て

溶かしてくれる





「真白…どんな夢を見ていたんだ?」

椿に聞かれた

バツが悪そうに視線を逸らした

だけど、ゆっくりと一言




「……親の夢かな……」

少し笑って見せた

笑えてる気はしないけど

「……そっか、……」

すると椿は小さく苦笑いし

ぎゅう、と

さっきよりも強く私を抱き締めた



「椿……?」

「ごめん、」

不意に目を伏せる椿をじっと見詰める



「不安にさせてたんだろ、…?…ごめん、俺は真白を捨てない、絶対約束するから」



切羽詰ったような椿

そんな姿にありがとうと大好きを



溢れるくらいの愛を



私は椿をずっと信じてるから

離さないで