低く甘い声で囁かれた
溶けてしまいそうなほどの甘い甘い声
さっきまで見ていた悪い夢
不安に包まれた
『椿にもいつか捨てられる』
なんて馬鹿な事考えて
でも
椿の言葉は私のそんな思いを全て
溶かしてくれる
「真白…どんな夢を見ていたんだ?」
椿に聞かれた
バツが悪そうに視線を逸らした
だけど、ゆっくりと一言
「……親の夢かな……」
少し笑って見せた
笑えてる気はしないけど
「……そっか、……」
すると椿は小さく苦笑いし
ぎゅう、と
さっきよりも強く私を抱き締めた
「椿……?」
「ごめん、」
不意に目を伏せる椿をじっと見詰める
「不安にさせてたんだろ、…?…ごめん、俺は真白を捨てない、絶対約束するから」
切羽詰ったような椿
そんな姿にありがとうと大好きを
溢れるくらいの愛を
私は椿をずっと信じてるから
離さないで

