「…白、…真白…?」
少し目を開けると大好きで堪らない人の顔
「つ……ばき……?」
「大丈夫か??うなされてけど悪い夢でも見た?」
其処で気付く、自分が夢を見ていたことに
心配そうに私の顔を覗く彼
なんだろうこの気持ち
胸が苦しくって
彼を抱き締めたくなる
これが恋、ですか…?
なんて切なく愛しい物なんだろう
「椿、ぎゅうしてもいい?」
今すぐ貴方に触れたい
「真白…?どうした?本当に悪い夢でも見たか…?」
「……わかんないの真白も…」
夢なんて、親なんて、
どうでも良いくらいに
「……ん?」
小さく首を傾げて私を見詰める彼に
「……椿が好きだよ…」
最後の方は声が小さくなった
なんとなく気恥ずかしくなったから
すると彼は今までに無く柔らかく笑い
細くも筋肉質の腕を伸ばして
暖かい体温で私を包んでくれた
「俺も好きだよ…愛してるから…」

