それから20分くらいして

髪がまだ水に濡れている子猫がでてきた

白い肌に水が付いてキラキラと輝き

妙に艶かしかった



「真白…おいで、…?」


俺は真白を呼び水で濡れた髪をわしゃわしゃと拭いた

「……ん、?……椿、私頑張ったでしょ?」

その表情は褒めてと言わんばかりの顔


「ふ、……頑張ったな?…偉い偉い」

俺は真白の乾いたサラサラの髪を撫でた

「椿……なんで笑ってるの?」

子猫は可愛い顔を不思議そうにして俺の顔を覗き込んだ

「え……?」


笑ってたんだ…俺…

子猫が可愛くって

勝手に顔がにやけていたんだ

変態か俺。


でも、まあ、そっか

まったく事情さえ知らない女の子を家に連れてたんだから




「真白が可愛いなって思ってさ」

柄でもなく素直に言ってみた


「んにゃ……!?……う、…」

すると子猫は頬を染めふるふると首を横に振った

そんな様子が可愛いなあ…と思ってしまって



「…………真白」

ぎゅうっと力強く抱き締める

離したくなくて、傍に居て欲しいから



「…つばきぃ……」


きゅうっとか細い腕で抱き締め返してくれる

温かくて

君の鼓動が伝わってとくとくと2つの音が重なる


この時間が永遠だったら

どれだけ幸せだろうか