猫。.:*:・゜.:*:・゜



「………椿、もっとぎゅー…」

「………は、え?」

落ち着いた子猫をそっと離せば

子猫は可愛らしいお願いをする

さっき泣いていた所為だろうか

瞳がうるうるしていて上目遣い


「――――っ!」

理性が危うく飛びそうになる



「……椿、…嫌?…」

俺が黙っていたからだろう

不安げな顔を向けて心配そうに覗き込んできた


「……大丈夫、何でも無いから、嫌いにならないし」

俺は可愛らしい子猫に特別

甘いみたいだ


「…!…ほんと、?!大好き椿っ」

ぎゅうっと白く細い腕を伸ばし

俺の可愛い可愛い子猫は

思いっきり抱きついてきた

俺を抱き締めた華奢な体は凄く危なっかしくて

それでいて愛おしかった



愛しさから真白を強く抱き締める

「…つ、椿…苦しいよっ…」


つい、やり過ぎた



「…ごめん、大丈夫か?」

思いっきり抱き締めた手を緩ませパッと体を離した

すると子猫はふにゃりと崩れた笑みを浮かべて

嬉しい言葉を言ってくれた



「椿、もっと…もっとぎゅーして」



そう照れ臭そうに言ってくれたんだ

それが嬉しくて喜ばしくて仕方がなかった

俺は思いっきり抱き締めた

全てが愛おしい





今更だけど

真白って甘えん坊だったんだな

きっと今まで寂しかったんだろう


俺がこれからもずっと甘えさせてあげるから

俺から離れないで…