「……今なんて言った?…」
聞き間違いだと思った俺は緩く首を傾げて問い掛ける
すると頬を薄く染めて
「…も、言わないもん…!……意地悪椿には言わないんだからっ…」
聞き返した事が気に障ったようで
ぷにぷにとした頬っぺたを真っ赤にして膨らませ
ぷっくりとした唇はむっと尖っていた
どうやって機嫌を取ろうか?
少し迷ったけど俺は聞こえた言葉を信じた
「……真白、俺は真白が大好き…」
耳元でポソリと囁いた
小さくてふわふわしている俺の子猫
何も言わない子猫
何を考えているかは分からない
只1つ分かる事は耳まで真っ赤だ
「……真白は俺のこと嫌いか??」
少し、少しだけ本音を混ぜて
寂しげに呟いてみる
何も言わない子猫に少しだけ不安を抱いた
嫌いだったらどうしようか
なんて言う乙女思考全開の俺
「……そんな事あるはず無いっ…!…真白…椿好きだもんっ…!」
俺の言葉に顔をばっと上げて大きい瞳に涙を溜め精一杯伝えようと見詰めてくる
ドキンッと心臓が高鳴った
何こんなにときめいてるんだろう
初めて恋したみたいに心臓がドキドキなってる
俺格好悪い
「…ありがとうっ、…真白…」
嫌いじゃないか聞いただけなのに
好きと言う言葉が聞けて凄く嬉しく頬が緩む