【長】さくらんぼ



七海「………大変だったんだね…」


美咲「ちょっとは…落ち着いたの?」


香菜「う〜ん…前とあんまりかわらないよ?」


あたしは少し笑いながら答えた



でも本当のこと



前から憂はあたしの生活の中にはいなかった




憂がいなくなった今も、何もかわらない…



事実なんだ




七海「亮くんは…何て?」


香菜「『ありがとう』ってだけ言ってくれたけど、他は何も……」


美咲「亮くんを選んだことへの『ありがとう』?」


香菜「………よくわかんない…
亮はその話しないから…」


七海「あたしはー…いろんな意味を込めての『ありがとう』だと思うなあ〜」


香菜「いろんな意味って?」


七海「美咲が言った意味もあると思うけど…
香菜は憂くんへの想いを、亮くんのために捨てたわけでしょ?」


香菜「え?」


七海「そこまで香菜が想ってくれて、うれしかったんじゃない?
予想だけど…香菜が十年の片思いを卒業したってことでしょ?」


美咲「卒業『ありがとう』?」


七海「えっ…何かそれおかしいよ(笑)
ん〜あたしも何が言いたいかわかんないや♪」



七海が言いたいこと…

少しだけわかった気がする




香菜「……亮に会いたい!!」