相変わらずの笑顔だった。



一至が考えていた事を知る由もないたっちゃんとメガネだが、他の二人はどういう事を考えていたのかすぐ分かる。



だが、それにも関わらず、舞さんと護は普通に接してくれた。



何か気持ちに変化はあったのか、このグループでの活動はどうするのか。聞きたい事は色々あったと思う。



それでも聞かない。



気持ちを隠し通すのはあまりいい事じゃない。



だけど…



…グループ内に入れてよかった、と思う気持ちがさらに強まった一至だった。



「――分かりました!そのデザートは舞さんのです!」



舞さんに脅迫され続け、ついに観念したのかメガネが言う。



舞さんとメガネ以外の三人は笑っている。二人はどうでもいい事で争って(?)いた。



――この部屋は元々メガネが借りてくれたものだった。ようするに貸し家。この部屋しかない。



誰が借りたのか詳しく調べると、メガネのお父さんみたいだ。メガネは実は金持ちの息子で、裕福な家庭に育っている。



お父さんは出張ばかりでいないが、お母さんはいる。そして弟が二人の三人兄弟だ。



三人兄弟の長男と言う事で、色々と背負わされている、と思っていたが、元来の性格であまり気にしていないようだ。



金持ちで頭がいい。緊急時には何かと重要視されるメガネだが、普段はいじられキャラを貫いている。



本人はあまり気にしてないようなので、一至も気にしないようにしよう。



能力の事に気付き、たっちゃん達が迎えに行った時も、グループの中で一番どうでもよさそうだったらしい。