「おはよー」

「おはよー」

がやがやとうるさい2の1教室に、

あたしは結衣と2人で入っていった。

「なんかうるさい人いっぱいいるね」

「あははっ、

にぎやかンなりそー。」

2の1で過ごす初日というのに、

みんな緊張感一切ナシで、

教室の隅にかたまって

大声をあげて笑っている。

机に座っている人は誰もいなくて、

名前のステッカーが張ってある机が、

人数分キレイに並べられていた。

「これって出席順の席?」

あたしは結衣に聞いた。

「そうじゃない?

あっ、あたしここだ。」

「あたしここー。結衣と席遠いー」

あたしは、自分の席にカバンを置くと

周りの机を見渡した。

半分くらい、知らない子ばっかり…

隣の男子の名前もよく分からないし…

逆隣の席は…

あたしはちらっと隣の机を見た。

机の名前が書かれたシールには、

[山本]

と書かれてあった。

山本くん、逆隣なんだ。

級長の仕事あるし、よかった。

「あっ、ね、!高橋っ」

軽く肩を後ろから叩かれて

あたしは振り返った。

「わっ」

そこにいたのは、山本くんだった。

「ごめん、びっくりさせた?」

「ううんっ」

あたしは、山本くんを見上げながら言った。

「先生が職員室きてってさ!」

「あ、うん。」