私は手のひらに残されたお守りを見た。

“交通安全”―…。



「お守り、間違えてますよ…」



私は溢れる涙を拭い、ジャケットのポケットにしまった。

私が走ってみんなの所へ行くと、北斗と沼田さんが、自動ドアを手動で開いた。

私は先頭を切ってホールに入り、取り残された人たちに声を掛けながら、辺りを見ながら、階段へと走った。

上を確認しながら、慎重に2階へと上がる。



「…足音しない?」



私は日帰り病室のある3回へ行く前に、2階で多数の足音を確認した。

SATが来るには早すぎる。