織姫さんと部署に戻ると、北斗が勅使川原さんのパソコンを見て居た。 私には笑わなかったくせに、勅使川原さんに笑ってる。 「…戻りました」 私は2人から目を逸らし、兄貴に声を掛けてから席に着いた。 ーープルルル… 鳴り出した私の携帯。 ジャケットのポケットから携帯を取り出すと、“着信 千葉遼太郎”の文字。 「はい?」 初めて千葉さんの電話に驚きながら、出る。 『あ、千葉ちゃんです(笑)』 「知ってますよ(笑) 電話なんて初めてですね」 私はクスクスと笑いながら、席を立って隅に行く。