「ねぇ、あなた最近調子悪いみたいじゃない?……やっぱりあたしが必要だった?」 井上は俺の唇に自分の指を滑らせてくる。 ――触んな…。 「ちょっと来いよ」 俺は井上の手首を掴み、オフィスから無理矢理出した。 井上は嬉しそうにしている。 マジでバカだな、この女…。 俺は胸の中でコイツを笑った。 ――商談室。 確か、この時間は誰も使ってなかったよな…。 ちょうどいい。 コイツと話をつける良いチャンスだ――…