【結菜side】 ――カツンッ 「――あ…」 いけない。 私ったら…。 私はしゃがみ、床に落ちたリングを拾った。 これは旦那の真琴とお揃いの結婚指輪。 “君を幸せにしたい。結婚してくれないか?” 私が真琴に言われたプロポーズの言葉。 今でも鮮明に覚えてる。 私はあの頃、真琴が大好きで… 嬉しくて嬉しくて、涙が止まらなかったっけ。 もちろん、今でも好き。 ……けど… 今の私には 真琴以上に好きな人が出来てしまった。