「あたしそのこと知らなかったんだけど!」


「だって言ってねーし」


「何で!?」


「別に」


……うん、まぁいっか。


悠に何言っても無駄だ。


今は事件に集中!


「第一発見者は」


平山警部はさっそく第一発見者を探した。


あたしもメモしないと!


「私です……」


最初に悲鳴を上げた人が手を挙げた。


「名前は」


「小原恵子です。半年前からこの旅館でアルバイトをしています」


「では、遺体を見つけるまでの経緯は」


「……少し若女将に相談したいことがあって探していました。そして部屋にいると聞いて、ドアをノックしたんです」