「…はあ~…」



さっきからもう何度目になるだろう。


このため息。

尽きる事をしらないため息は、何度もあたしの中から出てくる。

昨日はよく眠れなかった。
あんな場面に遭遇して笑っていられる程、あたしは強くない。


夢だったと笑って叫心と話したい。



今日、もし叫心と会ったなら

…まずは何を話そう?


ううん。
その前に、あたしはちゃんと話せるのかな?

ちゃんと叫心を見て、話せるのかな…?




「はあ~」


と、またため息をついた時だった。






「麗奈?どしたの?ため息なんかついて~!!」


教室の前で愛に出会った。


「愛…?…おはよ…」

「テンション低っっ!!!」

「…普通だよ~」


2人で共に教室に入る。



「やっぱりなんかあった?」

「愛ちゃん……聞いてくれる~?」


と、愛に駆け寄った瞬間だった。


「え…、?何これ…」





目の前に見えたのは自分の机の無惨な姿。


机が何かで引っ掻かれて、その引っ掻き傷で文字がかかれてる。





"尻軽女!"


"淫乱野郎!!"



「嘘でしょ…?」

「麗奈…、これって…」



無惨な机を目の前にして、あたしの足はガクガクと震えている。


辛い。


何であたしだけ?
誰がこんな事を…?






あたしの中にたくさんの疑問が行き交った。