結び直してくれたそれは、私が自分でやっていたのよりもキレイ。
「………」
ちょっとくやしくてキレイな結び目を見つめていると、すっと手をとられた。
「知ってた?今日、学校休みだよ」
「え?ほんとに?」
「インフルエンザで学級閉鎖」
「うそっ」
だって周りにいる同じ学校の人、みんな電車に乗ろうとしてるよ?
あ、学級閉鎖だから私たちのクラスだけか。
「シュンだって制服着てるじゃん」
そうだよ、学級閉鎖って知ってたんならわざわざ制服着る必要ないもんね。
あぶないあぶない、騙されるとこだった。
「俺は朝練行ってきたの。今帰ってきたほうだよ」
「えええええ」



