あたしは屋上に行くために昨日突き落とされた階段を慎重にあがっていた。 もちろん後ろに一番気を使って。 手すりを必死で掴みながら上がってる姿ってかなり不格好かも、 ま、落ちるよりかましだ。 「ちょっとあんた。佐倉真城よね。」 後ろの方で声がしてあたしは振り返った。 そこには、五・六匹のパンダ…じゃなくて化粧の濃い女達。 階段下からあたしを睨むようにして見上げていた。