千夏ちゃんは中学の頃からの友達で、私の唯一の理解者。


上手くクラスメイトと話せない私をいつもフォローしてくれるんだ。


それと同時に、私にとっての憧れ。

千夏ちゃんは、恋愛をしてる。


彼氏の内海哲士くんの話をしてる時、千夏ちゃんはとても幸せそう。


私だって、少女マンガのような甘い恋愛、三文小説のような展開に憧れる年頃。


だから髪型とか、ファッションだとかに気をつかってみたりもしてる。

でもやり過ぎると、狙ってるとか思われそうだから、学校では常に二つ結びと膝程もあるスカート姿だった。


いつか、私も素敵な人とキスとかするのかな。


昨日見たドラマを思い出し、うっとりしてしまう。

そんなことをぼんやり考えていた事に気が付き、私は頭をブンブンと振った。

別に、学生恋愛なんてしなくてもいい。大学に行って就職してからだって恋愛なんてできるんだから。


自分にそう言い聞かせて、テストをファイルにとじ込んだ。