―――――「えー、本日で一学期も終わりですが―――・・・」 蒸し暑い体育館の中、長ったらしく続く校長の話。 出席番号順に並ばされたあたしは、ブレザーのシャツの胸元をぱたぱたと煽った。 今日は、高校の終業式。 明日から、野球部マネージャーが始まるわけだ。 「留衣ー。」 名前を呼ばれて、後ろを振り返った。 視線の先には、手をちょいちょいと動かしている彩の姿。 あたしは、人の目も気にせず、立ち上がって、彩のいる場所まで歩いた。