あたしに乗る電車が来て、乗り込んだ。

 乗ってすぐ、いつもなら座席を探すけど、橘龍がいるホームに近い窓際に立った。

 小さく手を振ると、にこっと笑って手を振ってくれた。
 そのあと小さくあくびをして目を閉じた橘龍。

 かわいいなぁ・・・。

 あれ?あたし、今なんて思った??
 き、気のせい??なんて思ったっけ?え、あれ??ん??


 自分が変になった気がして。
 無意識のうちに、微笑む自分がいたことにすら気づかなかった。

 座席を探して、座って、待った。


 いやだって言いながら、どこか楽しんだ気がした。てゆーか、楽しんだんだと思う。

 不思議なまま、電車を降りて、改札を抜けた。