「……はぁ~」

 気配が遠ざかった事を確認して時弥は深い溜息を漏らした。

 瞬間──脳天に衝撃!

「いてぇ!?」
「何やってんだお前」

 さすりながら振り向くと杜斗が目を吊り上げてそこにいた。

「あ……いやぁ~はっはっはっ……」

 気まずくて誤魔化し笑い。

「バカが」

 溜息混じりに発し、苦笑いの時弥を見下ろす。

「怪我は無いか」
「え、うん」

 それだけ聞くと杜斗は男たちが入って行った家に視線を向けた。