コスミックダスト-戦塵の宮殿

「終わりだな」

大佐の声がした。
そしてオレたちは一斉にライトを浴びた。

「残念だったな」

ライトがまぶしくて、大佐の立っている位置は分からない。

「愚かなオマエたちが考えそうな逃げ道だ」

いかにも勝ち誇ったような大佐の言い方。
癪に障る。

下水道の汚水は濾過装置を通ってこの湖に注ぎ込まれる。
琵琶湖の半分ほどもある巨大な私有湖だ。

「庭に湖だと?」

「水温マイナス15度。水深は30メートル。飛び込めば凍死か溺死しかない。どうする?」

光の中から足音が近づいてきた。
恐らく大佐だ。
背中に背負ったカチャカチャというライフルの音がない。
手に構えていることを意味する。足音からして数人いる。

もはやこれまでか。