コスミックダスト-戦塵の宮殿

道のない道をオレたちはズンズンと降りた。

「なあミドリ。バアチャンに会うてもええか?」

いきなり祖母に会いたくなった。
恋しいとか、寂しいとか、そういった感情ではない。
なぜだか分からないがイヤな予感がする。

「たまには顔見せてやらんとな。たった1人の身内やさかい」

「いいに決まってるじゃない。なんでそんなこといちいちオレに聞くの?」

「スニーカーの紐が・・・切れたんや」

「え?」

「うん・・・何でもねえよ」

「???」

イヤな予感が胸騒ぎに変わった。

不吉だ。

キルジャを出るときに感じた悪い予感。
切れたスニーカーの紐。
偶然ではない。

「そんなに悪い予感がするの?」

いや。
気のせいだろう。
何度も言うがオレに予知能力はない。
特殊な能力はない。
オレは普通の日本人だ。