勇者様?!


「私とヒスイ様の婚約パーティーも合同で行いますので、是非参加して下さいね」


聞きたくない

認めたくない


「では、お忙しいところ、申し訳ありませんでした。失礼します」


パタンと閉まる扉


「こ…ん…や…く?」


やっと出た言葉はコレだった

何も考えられない

信じられない
信じたくない


「お姉ちゃん!今、姫様が来てたよね?!」


ラズリの声がする

駄目だ…笑えない

平然を装えない


「ごめん…ラズリ…気分悪い…お店頼むね…」


それだけ言って、店を出た

そして、自分の部屋に入る

同時に足の力が抜けて、そのまま座りこむ




もぅ無理…