勇者様?!


「いってらっしゃい、ヒスイ」


今できる、精一杯の私の気持ちだよ


「ラピ…っ?!」


ヒスイが何かを言いかけたが、そんなの知らない

言いかけた唇に、自分の唇を押し当てる

本当に一瞬だけ
唇を合わせるだけのキスをした

唇が離れると、ヒスイは再び引きずられながら、店をあとにした


「ヒスイ…大好き。だから、早く帰って来てね」


本人が居なくなったお店で、一人寂しく呟いた