「…帰って来た訳じゃないんでしょ?…また、すぐに行っちゃうんでしょ?」
扉の向こうでお城の人が待っているのが見えた
だから、この再会も一時的なもの
「…うん」
ヒスイが寂しそうに言う
「頑張ってね。ラズリ達は、私が守るし。結婚も…」
そこまで言って、言葉が止まる
ヒスイにまた、抱きしめられたから
「…お願い…待ってて…必ず帰ってくるから」
いつもの能天気なヒスイじゃない
そんな、弱々しい声でそんなこと言わないでよ
「…信じていいの?」
「うん。ラピスの20歳の誕生日までに全てを終わらせるから」
"だから、待ってて"と普段なら見せない、真剣な顔でヒスイは言う


